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「バズらせる」だけじゃない。顧客と共創するLOWYAのSNS進化論。 「バズらせる」だけじゃない。顧客と共創するLOWYAのSNS進化論。

※ 所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです

Over View

VEGAの戦略において、「LOWYAの顧客体験」の柱は3つとされている。旗艦店であるLOWYA公式ECサイト、直営店として出店する実店舗、そして最後がSNSだ。コロナ禍でショート動画を中心としたSNSに注力し、「バズりアイテム」が次々に誕生。TikTokでは100万回再生の動画を次々に出しており、総フォロワー数は190万人の大人気アカウントとして成長したLOWYA。このSNS戦略の立役者とも言えるのが、LOWYA事業本部SNSグループの谷光である。谷光曰く、SNSの役割は「バズらせる」ことだけではない。より深い顧客の声を掴むことのできるSNSがLOWYAのビジネスに与える影響について、LOWYA事業本部 商品統括部長の江田と対談しながら、語ってもらった。

Member

  • 商品統括
    江田 亮平
    2010年中途入社
  • SNS
    谷光 大聖
    2021年新卒入社

Story 01

江田

SNSは、今やLOWYAの強みといっても過言ではない領域ですが、つい5年ほど前までは、そこまで注力していた領域ではありませんでした。過去のSNS運用は「カタログ」のような運用の仕方。キレイにおしゃれにわかりやすくデザインして。それで終わり。もちろん無意味とは言いませんが、そこまで大きな強みになっていたわけではありません。とりあえず出しておこう。極端に言えばそんなテンションだったと思います。しかし、そこに直談判をしてきたのがこの谷光です。新卒1年目から彼は「絶対にショート動画をやるべき」とプレゼンテーションしていました。

谷光

文章に対して画像は7倍、動画は5400倍の情報量を伝えることができます。LOWYAはECで文章と写真でその魅力を伝えてきましたが、その機能性やベネフィットをもっと早く、よりわかりやすく伝えるためには動画が必要だと僕自身は常々思っていました。そんな中、TikTokをはじめとした「ショート動画」のトレンドがやってきた。ここに乗らないなんて、あり得ない。LOWYAこそ、いち早く取り組むべきだと思っていました。

江田

正直、経営陣は最初「ショート動画」がなぜそれほどまでに重要なのか?と思っていたのですが、谷光のプレゼンテーションは素晴らしかったんですよ。ショート動画というものと、LOWYAの商品開発で実現してきた「シンプルで、おしゃれで、機能性がある」家具の相性がいかに良いものなのか、なぜLOWYAでやるべきなのか?の理由がきちんと示されていた。僕はその熱意にしびれて、僕のチームでやってみないか、と谷光に声をかけました。まずはたった1人のSNSチームを発足。企画から編集まで全て1人でやっていましたね。

谷光

僕としては可能性しかない、と思っていました。SNSのショート動画は、当時まだ新しい領域で、まだまだ企業アカウントもそこまで多くありませんでした。家具というプロダクトとの相性もよく、まだ新規参入の多くない今なら、もっと伸ばせる。LOWYAの核となる戦略になると確信していました。だから、すごく大変でしたけど、めちゃくちゃ楽しかったです。

Story 02

谷光

いまや「バズりアイテム」といえばLOWYAとなるほどに強くなったSNSですが、僕の中では「バズる=発信する」だけがSNSの役割だとは思っていません。どちらかといえば、SNSは、潜在的な顧客の声を掴むのに最適なツールだと思っています。ECのレビューは「購入後」のお客様の声ですが、SNSのコメントは「購入前」のお客様の声にあふれています。僕はこれを「マイクロインサイト」と呼んでいて、お客様の本質的な悩みや課題を見つけるヒントになっていると思っています。

江田

今まで僕らの商品開発は、商品を出してから、お客様のレビューを見て改良をするということをしていました。ただ、家具は正直、そんなに買い替えるものではないので、その改良が届くのはかなり先のお客様になってしまうんです。ただ、SNSなら潜在的な顧客の声を知ることができる。つまり「買わない理由」を見つけ出すことができるんです。これは僕らのビジネスにとっては革新的な出来事でした。

谷光

例えば、とある商品をSNSで紹介したところ「この突っ張り式収納、金具の色が黒じゃなければいいのに」というコメントがつき、そのコメントに1000以上のいいねが付いたりします。こういう今までは拾えなかった顧客の声が、SNSを通じて発信される。これが商品開発にとっては大きなこと。購入前のお客様にどんどん意見がもらえて、更に改良された商品を世の中に投入することができる。この仕組みが成り立つのは、SNSならではです。

Story 03

谷光

最近ではこうしたSNSの特性を利用して、「インスタLiveで商品開発会議」という商品開発そのものにお客様の意見を取り入れるような取り組みを実験的に行っています。LOWYAで開発中のソファのカラーラインナップをお客様の声を通じて選んでもらい、そのカラーの名前もお客様と実際にコメントでコミュニケーションしながら決めました。商品開発としてはそうした顧客の声の反映ができるメリットもありますし、お客様からすれば「自分が選んだ」という思い入れができるという効果もある。ファンを作りやすい商品開発の構造になっているかなと思っています。

江田

まだまだ、SNSはプロモーションの役割が大きいと思われていますが、僕の感覚の中では、 プロモーションだけではなく、商品開発など上流工程にもっと食い込んでいく存在がSNSなのかなと思っています。熱狂的なファンが居るものが、強烈なヒットを生む。大手にはできないことを仕掛けていくLOWYAにとって、SNSは強力なツールになります。商品開発のチームはプロダクト開発のプロですから、技術力、デザイン力、実現力はあります。そこに顧客視点をもったSNSのチームが食い込んでくれれば、更に強固な商品開発基盤が出来上がる。そこをSNSチームには強く期待しています!

谷光

僕がこれからLOWYAのSNSにおいて必要だと思っているのは「フルの価値」を伝えること。フルの価値とは、商品そのものがいかに便利か、おしゃれか、だけではなくて、その商品が生み出される過程やプロセス、考え方や思想そのものも伝えられるようなコミュニケーションのことを指します。先程のインスタLiveでの取り組みもそうですが、もっとLOWYAの商品開発の人の思想や考えと、顧客自身のニーズが双方向で交わるような仕組みづくりをすることでただ宣伝するだけではなくて、LOWYAのファンが増えていくと思います。プロモーションだけではない、商品開発も、ブランディングも。LOWYAのSNSはまだまだ、進化し続けます。

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